今回も、前回に引続いて、柳原輝明副会長と山添村の奥谷和夫学会員に案内していただきました。
榛原駅で集合した後、榛原の立石群に向かい、巌太郎、巌三郎、巌次郎と名付けられた立石と蛇石を見学しました。
ここは、柳原輝明氏が着目しているイワクラ群で、柳原氏は、山添村の神野山と同じように、星座を模しているのではないかと考えられています。
墨坂神社に立ち寄り、山添村に向いました。
当初、牛ヶ峰岩屋枡型岩で冬至の日の入りを観察する予定でしたが、雨が強くなってきので予定を変更し、2日目の午後に行く予定であった塩瀬地蔵と太師の硯石と鍋倉溪を見学しました。
鍋倉溪では、最近見つかった南十字星のイワクラが紹介されました。
ツアーのメンバーは、雨の降る中、立ち止まり、この石組についてしばらく議論を行なっていました。
この後、おなじみの長寿岩に立ち寄った後、吉備津神社を参拝しました。
吉備津神社は、巨大な岩壁の磐座を拝する神社で、この神社から神野山の頂上は、冬至の日の入りの方向にほぼ一致しています。冬至の日に神野山を遥拝する場所であったと考えられます。
ここで、奥谷氏から山添村に伝わる山の神の神事について説明がありました。
ツアー一行は、月ヶ瀬温泉につかって雨で冷えた体を温めました。山歩きの後の温泉は格別でした。
続いて、今日の宿であるアートスコープにおいて、懇親会が行なわれました。美味しい猪鍋をいただきながら、夜遅くまでイワクラ談義が続きました。
翌日は、中峰山(チュウムザン)山中の見学が行なわれました。
山の中で、舟岩、地蔵岩、手まり岩、ＵＦＯ岩、天狗岩、男根岩、大亀石、大神石などたくさんのイワクラを見学しました。
ここ中峰山山中は、山添村の中でもほとんど紹介されていない場所で、名前の付いていないイワクラらしき岩もたくさんありました。
２時間半もの山歩きでとても疲れましたが、有意義でした。
ツアー一行は、尾根伝いに吉田の岩尾神社に向いました。
この神社のご神体は男岩、女岩と呼ばれる巨石で、表面には、長寿岩と同じように白い十字ラインが走っています。
この後、神野山のレストラン映山紅で、山菜料理の昼食をいただきました。
午後からは、布目ダム北東部の牛ヶ峰岩屋枡型岩をめざして、300メートルほど山道を登りました。
巨石に大日如来が刻まれていて、岩窟が形成されていました。
今回は、観察できませんでしたが、向って左の岩屋に冬至の日の入りが、向って右の岩屋に夏至の日の入りが差し込むそうです。
さらに50メートル登ると、高さ16メートルもの巨大な枡形岩がありました。
上部に四角い穴を開けて蓋が閉められていて、この中には、弘法大師が下の岩屋に大日如来を刻んだのみとつちを納めたという逸話が残っています。
最後に、天王の森に立ち寄った後、山添村を後にして、近鉄奈良駅に向いました。
濃い内容の2日間でした。
（記録：平津豊）
詳細な報告は、会報33号に掲載。
