2016年11月26日、27日 岐阜県恵那市笠置山イワクラ調査ツアー
                               
        2017年4月8日、9日、イワクラ学会の岐阜県恵那市笠置山調査ツアーが19名の参加で行われました。

4月8日は、恵那先史文化研究会の鈴木英幸氏と大島慎一氏に案内していただいて、恵那市南部のイワクラの見学を行いました。
■岩村の山上祖霊社
まず、恵那から出土した御物石器を見学したあと、岩村の山上祖霊社を訪れました。

4本の立石が横一列に並び、その前に1本の立石が立てられています。
この他にも近くに烏帽子岩と屏風岩があります。巨大な石舞台もあったそうですが、これは破壊されてしまったようです。
■鍋山メンヒル
次に向ったのは鍋山メンヒルです。
鍋山メンヒルは、約170センチメートルの2本の立石で、その2本の立石の間には3センチメートル程度の隙間があります。この立石については、恵那先史文化研究会が詳細に調査しており、夏至の日の出の太陽がこの隙間に入ることが発見されています。つまりこの立石は夏至の到来を告げる装置であると考えられます。
 
                     
         
                     
                     
          ■武並神社と5本の立石
次は、折方の武並神社に参拝したあと、武並の5本の立石に案内してもらいました。5本の石が一直線に並んで立てられています。
いずれにしても、5本の立石は珍しいもので、古代人が何かの思いを込めて立てたことには間違いありません。

■日天月天での講演会
2017年4月8日の夜、日天月天の企画で「イワクラ学会のお話会」が開催され、雨が降っていたにもかかわらず、たくさんの方に集まっていただきました。私からは「イワクラとは何か?」という基本的な話をさせていただき、柳原輝明副会長は奈良県の神野山の天球図について話されました。会場である日天月天は、元は神社であったとのこと、おかげで素晴らしい雰囲気に包まれて気持ちよく話をさせていただきました。
講演は、ツアーの合間で行ったため、1時間程度の短いものでしたが、講演会のあとは、参加された方々とイワクラ学会の会員とで食事をしながら夜遅くまで情報交換が行われました。
 
                     
         
                     
         
                     
        ■姫栗の岩場
2日目は、昨晩からの雨が残っているので、笠置山の調査は午後にまわして、舩橋一華氏の案内で笠置山のイワクラの見学を行ないました。
パーゴルフ場として整備されている姫栗の岩場には、線刻のある岩があります。
この線刻について、20年前に日本ペトログラフ協会が「ピコ」であると認定しています。「ピコ」とはハワイやポリネシアに多く見られるもので盃状穴と盃状穴を線で結んで親子関係を表したものと考えられています。


■堀田遺跡周辺のイワクラ
次に、堀田遺跡を案内してもらいました。
この堀田遺跡は、縄文時代よりも古い旧石器時代から人が暮らしていた土地です。
ここでは、へび石、原点ピラミッド、2本の立石を見学しました。
この近くにストーンサークルもありました。
中心石は東側が折れたような形をした特徴のある立石で、その周りに12個の石が並べられ、さらに2~3メートル離れた場所にも石が円形に並べられています。つまり2重円が造られていて、秋田県大湯環状列石の日時計と呼ばれている遺跡に似ています。
これは、誰かが近年に大湯の日時計を真似て復元した、あるいは創造した可能ガ高いのではないかと議論しましたが結論は出ませんでした。

 
                     
         
                     
         
                     
            ■笠置山頂上のイワクラ
笠置山に登る途中、巨大な四角錐の岩石がありました。節理の筋がきれいに走り、東面はその節理に添って割れていますが、それ以外の面は節理に逆らって整形されています。

笠置山の山頂には笠置神社の奥宮があります。山の頂上とは思えないほど広い平坦地に巨大な社殿が建っています。
そして、この奥宮の直ぐ東には巨大な岩が屏風のようにそびえ立つ絶景を見ることができました。
この下には天然記念物の光苔が繁殖している岩屋があります。

この笠置山の山頂付近には、深い線刻と盃状穴がたくさん彫られている岩や大きな盃状穴など、人工の痕跡のある岩がたくさんありました。       
             
         
                     
        ■オリオン座を地上に写したイワクラの調査
9日の午後からは、調査を行いました。
この笠置山では、1994年頃から日本ペトログラフ協会の調査が行なわれ、恵那先史文化研究会が発足するなど、地元での活動が行なわれました。舩橋氏から見せていただいた当時の研究記録の中に地図の上に星座を描いた図があり、このような情報は初見でした。
奈良県山添村には、星座を地上の岩石で模したイワクラ群がありますが、これと同じものが恵那にも存在するのではないか。
それを確かめることが、今回の調査ツアーの目的でした。

測量チームは、増谷年彦氏、坂本雅之氏、黒田亮介氏、武部正俊氏、と私(平津豊)で構成し、岩石の寸法と場所をGPSとレーザーで測量しました。
測量結果は、「第1回笠置山イワクラ測量記録書」として会報40号で報告される予定です。
結論は、恵那先史文化研究会の図が正確ではなく、岩石の配置を示したものではないことがわかりました。おそらく、恵那先史研究会の図は、オリオンの三ツ星を中心として、地図の上に星座を表示させて、これから調査する場所をポイントとして表したものだったのではないでしょうか。
このように、今回のイワクラ学会の調査では、笠置山の岩石配置は、正確なオリオン座ではないという結果でしたが、調査は不十分であり笠置山に岩石を用いてオリオン座が模られた可能性が全て否定されたとは考えていません。今後の調査に期待します。
             
         
                     
        最後に、「水を我らにと祈る線刻」がある岩石を見学しました。岩の表面には、深い直線、四角、二重円などたくさんの線刻がありました。
また、その帰り道、巨大な岩が山の斜面に突き出ていいるのを見つけました。その形は、まるでスターシップのようでした。

恵那のイワクラ見学、笠置山の調査、講演会、地元との懇親会と盛りだくさんの2日間でした。

(記録 平津豊)
             
         
                   
                 
                     
                               
 本サイトの著作権とリンクについて  Copyright(C) 2004-2017 Iwakura Study Society. All Rights Reserved.